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ぶどう膜炎外来

ぶどう膜炎外来担当医

専門外来名 担当医
ぶどう膜炎外来 望月 學 東京医科歯科大学 名誉教授
高瀬 博 前東京医科歯科大学 病院教授
宮永 将 東京医科歯科大学 臨床准教授
寺田 裕紀子 当院 診療部長

ぶどう膜炎の患者様へ

ぶどう膜炎の多くは長期に渡る治療が必要で、更に、治療で一旦は炎症が治っても再発することが多い病気ですので、根気よく病気と付き合うことがとても大切です。

専門外来
スケジュール

医療関係者の皆様へ

  1. 当院では、内科連携の上でアダリムマブ、シクロスポリン、副腎皮質ステロイドの外来通院管理は可能ですが、インフリキシマブなどの生物製剤やステロイドパルス治療は専門科のある総合病院に依頼しております。
  2. ぶどう膜炎の発症直後だけでなく、全身治療継続治療が必要な患者様の長期投薬管理もいたしますのでご紹介ください。
  3. ご紹介頂いた後も当院での診察・検査結果・治療方針を共有し、ご併診を続けて頂くことで患者様の通院の負担が減りますので、連携を宜しくお願いいたします。

ぶどう膜炎とは?

ぶどう膜炎とは?

眼の中に炎症を起こす病気は総じて「ぶどう膜炎」と呼ばれます。炎症による直接の影響、或いは炎症による眼の合併症(白内障、緑内障、網膜浮腫など)で視機能に深刻な影響を生じる病気です。ぶどう膜炎の原因には、全身免疫異常、感染症、外傷、悪性腫瘍など様々なものがあります。その原因にあった適切な炎症の治療(消炎)と、眼の合併症の予防と治療が大切です。ぶどう膜炎の患者様が生涯に渡り良好な視機能を保てるよう、専門外来ではそれぞれの患者様にとって最適な治療を選択しています。

参考(日本眼科学会HPより)

ぶどう膜炎の症状

ぶどう膜炎の症状には、視力低下、カスミ(霧視)、目の前に虫が飛んで見える(飛蚊症)、充血、眩しさ、眼の痛みなどがあります。また、炎症そのものではなく、ぶどう膜炎の合併症が理由で視力低下、霧視、視野異常などの症状が進行する場合もあります。

  • 図1 HLA-B27陽性前部ぶどう膜炎による毛様充血
    図1 HLA-B27陽性前部ぶどう膜炎による毛様充血
  • 図2 糖尿病虹彩炎による前房蓄膿
    図2 糖尿病虹彩炎による前房蓄膿

ぶどう膜炎の検査

視力、眼圧、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査の他、視野検査、網膜・脈絡膜に浮腫や異常がないか、など眼球の様々な部位の異常を検査します。

原因検索法には血液・尿検査、胸部レントゲン、脳MRI、髄液検査、聴力検査などの全身検査に加え、眼内液を採取して行うウイルスPCR検査や病理検査などがあります。血液・尿検査、眼内液の検査の一部は当院で可能ですが、その他の詳しい検査は近隣または患者様のご自宅近くの医療施設をご紹介し依頼させていただきます。

図3 レーザーフレアーメーター FM-600a
図3 レーザーフレアーメーター FM-600a(炎症があると増加する前房水中蛋白を測定する)
図4 DRI OCT Triton
図4 DRI OCT Triton(網膜の浮腫、脈絡膜の厚みなどを測定する)
図5 超広角眼底カメラ Optos Daytona Next
図5 超広角眼底カメラ Optos Daytona Next(広角眼底写真、自発蛍光写真を撮影する)

ぶどう膜炎の治療

ぶどう膜炎の炎症の治療には、副腎皮質ステロイド薬の点眼、眼局所注射の他、副腎皮質ステロイド薬の内服や免疫抑制剤、生物学的製剤の全身投与があります。また、ぶどう膜炎が感染症による場合は、その原因に応じて抗ウイルス薬、抗菌薬、抗真菌薬などが用いられます。ぶどう膜炎の合併症に対しては硝子体手術、角膜移植、緑内障手術などが必要となることもあります。原因疾患によっては膠原病リウマチ内科や血液内科、呼吸器内科、神経内科、腎臓内科、小児科での治療が必要となることもあるため、適切な専門科をご紹介し連携しています。

  • a 治療前。視神経乳頭浮腫、星芒状硬性白斑がみられる
    a 治療前。視神経乳頭浮腫、星芒状硬性白斑がみられる
  • b 治療後。視神経乳頭は境界明瞭となり硬性白斑も減少した。
    b 治療後。視神経乳頭は境界明瞭となり硬性白斑も減少した。

図6 猫ひっかき病(バルトネラ菌感染によるぶどう膜炎)の眼底写真。