目の中に光が見える症状について
暗い場所で急に目を動かした際に、実際にはない閃光が見えることがあります。こうした症状を光視症と呼びます。網膜が引っ張られる刺激によって視細胞が光を受けた時と同じ反応を起こして生じる場合があります。特に問題がないことも多いのですが、網膜剥離や網膜裂孔の初期症状として生じることがあります。実際にはいない虫やゴミのようなものが浮かんでいるように見える飛蚊症や、視野の欠損などを伴う場合には網膜裂孔や網膜剥離を起こしている可能性が高くなりますので、できるだけ早く眼科を受診してください。早期に適切な治療を受けることで深刻な視力低下や視野欠損を起こさずに治せる可能性が高くなります。
目の中に光が見えるときに確認したいポイント
実際には光がないのに「ピカッと光る」「稲妻のような光が走る」「ギザギザした光が広がる」などの症状が現れることがあります。
光の見え方や症状が続く時間、片目だけか両目か、飛蚊症や視野欠損を伴うかどうかは、原因を考える手がかりになります。
| 光の見え方・症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 視界の端に一瞬ピカッと光が走る | 後部硝子体剥離、網膜裂孔、網膜剥離など |
| 目を動かしたときに稲妻のような光が見える | 硝子体による網膜への牽引など |
| 光とともに飛蚊症が急に増えた | 網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血など |
| ギザギザ・キラキラした光が徐々に広がる | 閃輝性暗点など |
| チカチカする範囲が数分かけて広がり、その後元に戻る | 片頭痛に伴う閃輝性暗点など |
| 視野の一部に黒い影やカーテンのようなものが見える | 網膜剥離など |
| 強い光を見た直後だけ光の跡が残る | 残像による生理的な現象のこともある |
同じ「光が見える」という症状でも、眼球内の硝子体や網膜が原因となる光視症と、脳の視覚に関係する閃輝性暗点では、症状の現れ方が異なります。
このような光の見え方は早めに眼科を受診してください
光視症は加齢に伴う後部硝子体剥離などでも起こりますが、網膜裂孔や網膜剥離の初期症状として現れることがあります。
特に、次のような症状がある場合は早めに眼科を受診してください。
- 光が見える症状が突然始まった
- 片目だけに新しい光視症が現れた
- 光が見える回数が急に増えた
- 飛蚊症が突然増えた
- 黒い点や糸くずのような影が大量に見える
- 視野の一部が欠けている
- 視界に黒い影やカーテンが広がってきた
- 急に視力が低下した
- 目をぶつけた後から光が見えるようになった
また、チカチカする光とともに、手足のしびれや麻痺、ろれつの回りにくさ、これまでにない激しい頭痛などが現れた場合は、眼科疾患だけでなく脳の疾患も考える必要があります。このような場合は速やかに医療機関を受診してください。
目がチカチカするときのセルフチェック
目の中に光が見えた場合は、次の点を確認してください。
- 片目だけに見えますか、両目で見えますか?
- 突然始まりましたか?
- 一瞬だけピカッと光りますか?
- ギザギザした光が徐々に広がりますか?
- 視界の端に光が走りますか?
- 目を動かしたときに光が見えますか?
- 飛蚊症が急に増えていませんか?
- 視野に黒い影やカーテンのようなものがありませんか?
- 視力が低下していませんか?
- 数分~数十分で症状が消えますか?
- 光が消えた後に頭痛が起こりますか?
- 頭や目をぶつけた後に始まりましたか?
片目だけの光視症は、もう片方の目を開けているとどちらの目に症状があるのか分かりにくいことがあります。症状が起こった際は、可能であれば片目ずつ隠して確認してください。
このセルフチェックで原因を診断することはできません。新しく光視症が現れた場合や、飛蚊症・視野欠損を伴う場合は眼科で詳しく検査を受けることが大切です。
光視症と閃輝性暗点の違い
光視症と閃輝性暗点は、どちらも「実際にはない光が見える」症状ですが、原因や見え方に違いがあります。
| 特徴 | 光視症 | 閃輝性暗点 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 硝子体による網膜への刺激など | 脳の視覚に関係する一時的な変化 |
| 光の見え方 | ピカッ、稲妻、光の線など | ギザギザ、キラキラした光など |
| 現れる場所 | 視野の端に感じることが多い | 中心付近から始まり徐々に広がることがある |
| 持続時間 | 一瞬~短時間を繰り返すことが多い | 数分かけて広がり、一定時間で改善することが多い |
| 片目・両目 | 片目に生じることが多い | 両目の視野に同様に感じることがある |
| 伴う症状 | 飛蚊症、視野欠損など | その後の頭痛、吐き気など |
閃輝性暗点では、ギザギザ・キラキラした光が徐々に広がり、その後に片頭痛が起こることがあります。頭痛を伴わない場合もあります。
一方、視野の端に一瞬稲妻のような光が見え、飛蚊症が急に増えた場合は、後部硝子体剥離、網膜裂孔、網膜剥離などが疑われます。
症状だけで正確に区別できないこともあるため、初めて症状が現れた場合や、以前とは異なる見え方がある場合は医療機関を受診してください。
目がチカチカする(目の中に光が見える)原因
年齢的な変化によって起こっているケースと、深刻な視力低下などにつながる疾患によって生じているケースに分けられます。深刻な視力低下につながる疾患には、網膜裂孔、網膜剥離、眼底出血、ぶどう膜炎などがあります。こうした病気は早期に適切な治療を行うことが視力や視野を守るために不可欠です。
目の中に光が見える光視症がある場合には、眼科を受診して眼底検査などを受けて深刻な病気が隠れていないかを確かめることが重要です。瞳孔を開いた状態にする散瞳剤を使って眼底をすみずみまで丁寧に調べる精密な眼底検査を行う必要があります。
後部硝子体剥離
眼球の内部には、硝子体という透明なゼリー状の組織があります。若い頃の硝子体は網膜と接していますが、加齢によって硝子体が液状化・収縮すると、網膜から徐々に離れていきます。この状態を後部硝子体剥離と呼びます。
後部硝子体剥離は加齢に伴って起こることが多い変化ですが、硝子体が網膜から離れる際に網膜を引っ張ると、その刺激を「ピカッとした光」「稲妻のような光」として感じることがあります。
これが光視症です。
同時に、黒い点や糸くず、虫のようなものが見える飛蚊症が現れることもあります。
後部硝子体剥離そのものは治療を必要としない場合が多いものの、硝子体が網膜を強く引っ張ると網膜裂孔が生じることがあります。そのため、新しい光視症や飛蚊症が急に現れた場合は、眼底検査で網膜裂孔がないか確認することが重要です。
飛蚊症
飛蚊症(ひぶんしょう)とは、小さい虫やゴミ、アメーバみたいなものがフワフワ浮いて見える状態です。青空や白い紙などを見ると、現れやすくなります。
多くの飛蚊症は、生理的な原因で起きている飛蚊症なので、心配はいりません。しかし、失明のリスクが高い眼科疾患の初期症状として、飛蚊症になるケースもあります。
飛蚊症は年齢に関係なく発症します。急な飛蚊症や重度の飛蚊症は、病気の可能性があり、早急な眼科受診をおすすめします。
網膜裂孔
網膜裂孔は、眼球の奥にある網膜に裂け目が生じた状態です。
加齢に伴う後部硝子体剥離などによって硝子体が網膜を強く引っ張ると、網膜に裂孔が生じることがあります。
網膜裂孔そのものでは痛みを感じませんが、
- 視界の端に光が走る
- 飛蚊症が突然増える
- 黒い点が大量に見える
などの症状が現れることがあります。
網膜裂孔から液体が網膜の下へ入り込むと、網膜剥離へ進行する可能性があります。網膜裂孔の段階で発見できれば、裂孔の周囲にレーザーを照射して網膜剥離への進行を防ぐ治療を行える場合があります。
網膜剥離
網膜剥離は、眼球の内側にある網膜が下の組織から剥がれた状態です。
初期には光視症や飛蚊症が現れることがあり、進行すると、
- 視野に黒い影が現れる
- カーテンがかかったように見える
- 視野の一部が欠ける
- 急に視力が低下する
などの症状が現れます。
網膜には痛みを感じる神経がないため、症状が進行していても目の痛みがない場合があります。
網膜剥離は早期治療が重要な疾患です。光視症に加えて飛蚊症の急増や視野欠損がある場合は、早急に眼科を受診してください。
眼底出血
網膜には毛細血管が縦横に張り巡らされています。この血管が詰まる、破れることで出血を起こしている状態が眼底出血です。糖尿病や高血圧、腎臓病、動脈硬化などによって網膜の毛細血管がダメージを受け続けることで循環障害を起こし、発症します。また、事故や打撲などの強い衝撃によって生じることもあります。自覚症状としては、物が歪んで見える、視界がかすむ、実際にはいない虫のような物が浮かんでいるように見える、視野か欠けるなどがあります。出血量が少なくても深刻な視力障害を起こすことがあり、早急に適切な治療が必要です。
ぶどう膜炎
ぶどう膜は、眼球を包む脈絡膜、毛様体、虹彩を含む血管に富んだ組織の総称です。ぶどう膜炎は、細菌・ウイルス・真菌などによる感染、免疫異常などによって起こり、目の痛み、かゆみ、視界のかすみ、まぶしさを強く感じる、飛蚊症などの症状を起こします。片目に起こることもありますが、両目に起こることもあります。原因に合わせた治療が必要であり、再発しやすい傾向がありますので、治ってからも定期的な受診が必要です。
頭や目をぶつけた後に光が見える場合
目や頭に強い衝撃が加わると、その刺激によって一時的に光を感じることがあります。
一方、外傷によって硝子体が網膜を引っ張り、網膜裂孔や網膜剥離が生じることもあります。
特に、
- 光が見える症状が繰り返す
- 飛蚊症が急に増えた
- 視力が低下した
- 視野の一部が欠けた
- 黒い影が広がっている
といった場合は、症状が軽くても眼科で網膜の状態を確認してください。
目の中に光が見える場合はどのような検査を行いますか?
光視症がある場合は、網膜裂孔や網膜剥離などが隠れていないかを確認することが重要です。
眼科では、光の見え方や症状が始まった時期、片目か両目か、飛蚊症や視野欠損を伴っていないかなどを確認したうえで、必要に応じて次のような検査を行います。
- 視力検査
- 眼圧検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 散瞳眼底検査
- OCT検査
- 眼底写真
- 必要に応じて超音波検査など
特に重要なのが散瞳眼底検査です。散瞳薬を点眼して瞳孔を広げ、網膜の周辺部まで詳しく観察し、網膜裂孔や網膜剥離、出血などがないか確認します。散瞳検査後は4時間ほどかすみ・見づらさが増しますので、その時にやむを得ず散瞳できない場合は眼底写真撮影である程度周辺まで観察できることもあります。しかし、散瞳した方が正確な診察ができます。
後部硝子体剥離の状態や網膜との関係を確認するため、OCT検査を行うこともあります。
光が見えたときの対処法
光視症そのものを自宅で消す方法はありません。
症状が現れた場合は、まず片目ずつ見え方を確認し、どのような光が見えたのか、飛蚊症や視野欠損がないかを確認してください。
- 光が見え始めた時期を覚えておく
- 片目ずつ症状を確認する
- 飛蚊症が増えていないか確認する
- 視野に黒い影がないか確認する
- 視力低下がないか確認する
- 症状が急に増えた場合は様子を見続けない
- 見え方に異常がある場合は車や自転車の運転を控える
- 市販の目薬だけで様子を見ない
光視症が一時的に治まったとしても、網膜裂孔などがなくなったとは判断できません。初めての光視症や、以前より症状が増えた場合は眼科を受診してください。
目がチカチカする症状に 関する
よくある質問Q&A
どのように光が見えたら光視症ですか?
光視症は、まぶたを閉じていても開けていても、閃光、スパーク、または光の線などとして知覚されます。これらは一時的な現象であることが多く、目の疲れや過度の光への曝露が原因で起こることもありますが、網膜の病気の兆候のこともあります。頻繁に発生する場合や他の視覚障害(視力低下・かすみ・飛蚊症など)が伴う場合は専門医の診断を受けることをお勧めします。
光視症の受診の目安は?
光視症の症状が頻繁に起こる、持続して改善しない、または他の視覚異常や痛みを伴う場合は、早めに眼科での診察をお勧めします。
光視症の原因はストレスですか?
光視症自体は光への過敏反応が直接の原因ですが、ストレスが原因で体のさまざまな反応を引き起こし、光に対する感受性を高める可能性はあります。ほかの目の病気で光視症が起こることもあるので、症状が続く場合や強い場合は自己判断せずに眼科を受診してください。
光視症は治りますか?
どんな理由で光視症が起きているのかにより、徐々に感じなくなる場合も繰り返す場合もあります。医療機関を受診し適切な治療をうけ対処しましょう。
光視症になる日常的な要因は?
直射日光の強い照射、車のヘッドライト、スマートフォンやコンピュータスクリーンの強い光が、光視症の原因となり得ますが、これらを避ければ必ず症状を抑えられるというものではありません。専門医の診察を受け相談することをおすすめします。
光視症は脳の病気と関係はありますか?
脳の病気で光視症と似た症状を感じる可能性もあります。ほかの神経症状、全身症状を伴う場合は脳外科や神経内科お受診をおすすめします。
片目だけピカッと光が見えるのはなぜですか?
片目だけに視界の端を走るような光が見える場合は、後部硝子体剥離によって硝子体が網膜を引っ張っている可能性があります。網膜裂孔や網膜剥離の初期症状の場合もあるため、新しく症状が現れた場合は眼科を受診してください。
目を閉じていても光が見えることはありますか?
光視症では、実際に外から光が入っていなくても網膜が刺激されることで光を感じるため、目を閉じていても光が見える場合があります。特に視野の端に稲妻のような光を繰り返し感じる場合は、眼底検査を受けてください。
ギザギザした光が徐々に広がるのは光視症ですか?
ギザギザ・キラキラした光が徐々に広がり、一定時間で消える場合は、片頭痛に伴う閃輝性暗点の可能性があります。典型的な光視症では、視野の端に一瞬ピカッとした光や稲妻のような光を感じることがあります。初めて症状が現れた場合は自己判断せず医療機関へご相談ください。
光が見えるのと同時に飛蚊症が増えました。すぐに受診した方がよいですか?
はい。光視症と新しい飛蚊症が同時に現れた場合は、後部硝子体剥離に伴って網膜裂孔ができている可能性があります。網膜剥離へ進行することもあるため、早めに眼科で眼底検査を受けてください。
強い光を見た後に光の跡が残ります。病気ですか?
太陽やライトなど強い光を見た直後に、しばらく光や色の跡が見えることがあります。これは残像として起こる場合があります。ただし、強い光源を直接見ることは網膜へ負担をかける可能性があるため避けてください。光を見ていないのに症状を繰り返す場合や、視力低下を伴う場合は眼科を受診してください。
光視症は何日くらい続きますか?
原因によって異なります。後部硝子体剥離に伴う光視症は、時間の経過とともに回数が減っていくことがありますが、持続期間には個人差があります。症状が長く続くかどうかだけでは網膜裂孔の有無を判断できないため、初めて症状が現れた場合は眼科で確認することが大切です。
光視症が一度だけで、その後は見えません。受診は必要ですか?
一度だけでも、新しく起こった片目の光視症で原因が分からない場合は、眼科で網膜の状態を確認することをおすすめします。特に強度近視がある方、目の手術歴や外傷歴がある方、飛蚊症を伴う方では注意が必要です。
目がチカチカするときに頭痛がなければ閃輝性暗点ではありませんか?
閃輝性暗点は片頭痛の前兆としてみられることがありますが、光の症状だけが現れ、頭痛を伴わない場合もあります。初めて起こった場合や、これまでとは異なる症状、視野欠損が残る場合には、閃輝性暗点と自己判断せず医療機関で原因を確認してください。
目がチカチカする・目の中に光が見える症状でお困りの方へ
目の中にピカッとした光や稲妻のような光が見える「光視症」は、加齢に伴う後部硝子体剥離によって起こることがあります。
一方、網膜裂孔や網膜剥離の初期症状として現れる場合もあるため、特に、
- 初めて光視症が現れた
- 光が見える回数が急に増えた
- 飛蚊症が急に増えた
- 視野に黒い影やカーテンが現れた
- 急に視力が低下した
といった場合は、早めの眼科受診が大切です。
また、ギザギザした光が徐々に広がる場合は、片頭痛に伴う閃輝性暗点など、眼球以外の原因も考えられます。
光の見え方だけで原因を判断することは難しいため、これまでになかった光が見えるようになった場合は、当院へご相談ください。
